中国国内で米グーグルのメインサイトの利用が困難になっていることが世界的に話題を集めている。米ウォール・ストリート・ジャーナルは「原因は不明」としながらも、ネット規制に対する中国政府の取り組みを紹介、公安当局の検閲の可能性を匂わせている。一方、報道の自由の擁護を目的にした非政府組織「国境なき記者団」は、中国政府の検閲によるものと断定的に発表している。
利用が難しくなっているのは【google.com】で、googleが中国政府の検閲を受け入れることを条件に中国国内でこの1月にサービスを開始した【google.cn】は問題なく利用できているそうだ。国境なき記者団の発表によると、検索サイトだけでなくメールやニュースを利用できないケースも増えているという。
この現象についてウォール・ストリート・ジャーナルはアクセス難の問題は「断続的」に発生している点から、政府による検閲によるものなのかどうかについての判断を避けている。中国政府は台湾の独立など反政府的なサイトへのアクセスを遮断しているが、原則的にアクセス阻止は「継続的」に行われているという。
国境なき記者団の中国政府による検閲の結果とする発表には確証はない。グーグルが検閲を受け入れたサイトを立ち上げて以降、中国からグーグルのメインサイトへのアクセスに障害が発生してるという現象面から検閲の影響と判断しているようだ。
もっとも国境なき記者団がこのように指摘するにはそれなりの背景がある。共産党一党独裁の結果、中国では厳しいメディア統制が行われている。新聞、雑誌だけでなく、インターネットの普及にともないネット規制にも力を入れている。「金盾工程(ゴールデン・シールド・プロジェクト)」と呼ぶネットの検閲システムを2008年の完成を目指して、約8億ドルを投じて構築しているといわれる。公安当局はシステムに加えて、総勢5万人というネット警察官により、ネットを監視し、反体制者やサイトを摘発してきた。米3大ポータルはこうした公安当局の統制に協力したことで米国内で厳しい非難を受けた。
「Dynapass」や「Ultrasurf」など中国公安当局の検閲を回避するソフトが開発されたが、国境なき記者団はこうしたソフトを無効にするための対策も始まっていると説明している。検閲によるものかシステムやネットワークの問題なのか、理由ははっきりしないが、いずれにしても中国政府のネット検閲強化につながっている。